終活全般

公的制度|障害者扶養共済制度

障がいのあるお子様の保護者のための制度

「障害者扶養共済制度」とは?

障害者扶養共済制度について

「障害者扶養共済制度」は、障がいのある方の生活の安定や福祉の増進の一助となるため、

また、親亡き後の障がいのある方の将来に対し、保護者の方が抱く不安の軽減を図ることを目的として生まれた公的な制度です。

制度の仕組み

制度ができてから約50年が経過しているものの、まだまだこの制度をご存知ない方も多くいらっしゃるのが現状です。

障がいのあるお子様の保護者の方は

「私が亡くなった後、この子の生活は大丈夫だろうか」とか、

「苦労しないよう少しでもお金を残しておいてあげたい」と考えるものです。

そのような時に、検討しておきたいのが「障害者扶養共済制度」です。

その仕組みを簡単に解説していきます。

まず、障がいのある方の保護者が自らの生存中に毎月一定の掛金を収め、

その保護者に万一のこと(死亡・重度障がい)があったとき、障がいのあるお子様に終身に渡り、毎月一定額の年金を支給する制度です。

ほとんど民間の生命保険のイメージに近いですが、公的な制度として以下のような違いがあります。

・民間の生命保険は、加入者が収める保険料は、純保険料と付加保険料に分かれています。

純保険料とは、保険金等の給付を行うための原資となるものです。

付加保険料とは、保険会社の社員の給料だったり、運営のために必要な経費部分です。

付加保険料は開示する義務がないためその内訳は分かりません。また、保険会社や商品によっても異なるため、一概には言えませんが約50%ぐらいが付加保険料だと考えられています。

「障害者扶養共済制度」では、「純保険料のみ」で設定されています。

つまり、毎月の掛金には付加保険料が上乗せされていないため割安なのです。

・民間の生命保険料は、支払うと所得控除として、生命保険料控除が取れます。

死亡保険に関するものでは、年間8万円以上の支払いで、満額の4万円控除が取れます。

(住民税では2万8000円の控除になります)

民間の生命保険では支払った金額の全額が控除となるわけではありません。

しかし、「障害者扶養共済制度」では、支払った金額の全額が所得控除の対象となります。

掛け金として支払った金額の分だけ課税所得が少なくなるので、収める税金も少なくなるのです。

・障がいをもつ子どもが、年金を受け取るとき、普通の生命保険金と違って、相続税や贈与税の対象とならない。また、この制度に基づき支給される年金は、所得税・住民税とも非課税の措置がとられています。さらに、生活保護の収入認定においては、収入として認定されない取り扱いとなっています。

このように、生命保険と同じような仕組みでありながら、公的な制度として、より有利な部分があります。

ただし、保護者の要件や、障がいをもつ子どもの要件、年齢や掛金など民間の生命保険にはない独自のルールもあります。

まとめ

ここで触れた他にも、様々なルールがありますので、気になる方はお住まいの地方公共団体(都道府県・指定都市)へ問い合わせてみてください。

お子様のために、親あるうちにできることを考えてみましょう。
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