今や、お墓参りは家族や先祖を参るだけじゃない?
今回は一風変わったお墓参りの文化について少し触れてみたいと思います。
お墓参りを嗜む墓マイラー
歴史上の偉人や著名人のお墓を巡って、故人に思いを馳せる人「墓マイラー」の存在をご存知でしょうか。
墓マイラーだと自称している人もしていない人も合わせると一定数存在し、人口は潜在的にかなりのものになるのではないかと思います。
名付け親は、日本の文芸研究家 カジポン・マルコ・残月氏と言われていますが、墓マイラーという言葉ができる以前から、「掃苔(そうたい)」や「聖地巡礼」などのフレーズで古くから日本人に親しまれてきました。
掃苔って?
「苔をきれいに掃き清める」こと、つまりはお墓参りのことを指します。
偉人や著名人のお墓参りをする人のことを、昔は「掃苔家」と呼んだこともあり、密かにブームになっていたようです。
古くは、江戸時代から明治時代初期にかけて大阪で流行した、市内7か所の大きな墓所を巡回して無縁仏を供養することで功徳を積む「七墓巡り」から始まり、近年では小説「舞姫」を執筆した森鷗外氏ら著名人にも嗜まれてきました。
特に、明治・大正期の小説家 藤浪和子氏が昭和15年に刊行した「東京掃苔録」は度々再版されている名著と言われています。
文豪たちに愛されてきた掃苔という文化が、今、「墓マイラー」という言葉に進化し、再び人々に親しまれる存在となっているのではないでしょうか。
お墓参りのマナー
偉人や著名人のお墓参りのマナーって?
どうすればいいの?
たくさんの人が訪れる場所とは言え、そこはお墓です。
マナーを守ってお墓参りをしましょう。
まずは敷地所有者に立ち入りの許可を得ましょう。
寺院墓地の場合は、ご本尊へのお参りを先に済ませるのが礼儀です。
また、お供え物を供えたり、お花やお線香を手向けるのはご遺族の掃除などの手間を増やしてしまうため避けた方が無難です。
無用な長居や大声で騒ぐこともNGですね。
マナーを守って節度あるお墓参りを心掛けましょう。
お墓参りのマナーまとめ
- 立ち入りの許可を得る
- お供え物、お花、お線香などは供えない
- 長居や大声で騒ぐのはNG
東京の偉人・著名人のお墓
敬称略
- 手塚治虫:東京都豊島区 總禅寺
- 徳川吉宗:東京都台東区 寛永寺
- 山本五十六:東京都府中市 多磨霊園
- 東郷平八郎:東京都府中市 多磨霊園
- 北原白秋:東京都府中市 多磨霊園
- 三島由紀夫:東京都府中市 多磨霊園
- 与謝野鉄幹・晶子:東京都府中市 多磨霊園
- 江戸川乱歩:東京都府中市 多磨霊園
- 大久保利通:東京都港区 青山霊園
- 志賀直哉:東京都港区 青山霊園
- 芥川龍之介:東京都豊島区 慈眼寺
- 夏目漱石:東京都豊島区 雑司ヶ谷霊園
- 竹久夢二:東京都豊島区 雑司ヶ谷霊園
- 太宰治:東京都三鷹 禅林寺
個人的なお勧めの場所は、上記には記載していませんが泉岳寺です。
赤穂四十七義士の墓所があり、義士が本懐成就後、吉良上野介の首級を洗ったとされる「首洗い井戸」もあります。
まとめ
11月に入りましたが、まだまだ過ごしやすい陽気です。
好きな人物のお墓に訪れ、思いを馳せるのもいいかもしれませんね。
お墓参りをすることで、ご自身の終活のヒントが得られるかもしれません。
マナーをしっかりと守りながらお墓に参ることは守っていくべき習慣だと言えるのではないでしょうか。
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