不動産は遺産相続するかどうか決める前に、まず先に不動産の価値を調べる必要があります。
遺産分割協議書や相続税申告書などで不動産の価値を記載する必要がありますし、評価額によって相続税の額が変わってきます。
また、遺産分割の正確な配分を知れたり、相続税の節税などができる可能性もあります。
不動産の価値を調べておくことはとても重要であり、遺産相続におけるトラブル防止や損をしないためにも正しい評価の仕方や注意すべき点を抑えておきましょう。
比較査定法
比較査定法とは、近隣にある同じような物件と比較して、物件の価格を決定する方法です。
この方法では、物件と同じ地域や同じタイプ、同じ規模の不動産を参考にして、物件の価格を決定します。
主な手順は以下の通りです。
- 参考にする物件の選定
物件と同じ地域、同じタイプ、同じ規模の物件を参考にするように選定します。 - 参考物件のデータ収集
参考物件について、建物の規模や設備、土地の面積などの情報を収集します。 - 参考物件の価格比較
収集したデータをもとに、参考物件の価格を比較します。 - 比較結果から物件の価格を決定
参考物件の価格の比較結果をもとに、物件の価格を決定します。
この方法は、物件と同じ地域や同じタイプ、同じ規模の不動産が豊富な場所において、正確な価格決定ができるメリットがあります。
しかしながら、参考物件が少ない地域や、特殊な物件の場合は正確な価格決定ができない可能性があります。
改定査定法
改定査定法とは、建物や土地の条件を元に、評価額を決定する方法です。
この方法では、建物や土地の状態、設備、面積、土地の利用目的などを考慮して、物件の価格を決定します。
主な手順は以下の通りです。
- 物件の調査
物件について、建物や土地の状態、設備、面積、土地の利用目的などを調査します。 - 基準となる評価額の設定
建物や土地の条件に応じて、基準となる評価額を設定します。 - 修正率の設定
建物や土地の状態、設備、面積、土地の利用目的などに応じて、修正率を設定します。 - 評価額の決定
基準評価額と修正率をもとに、物件の評価額を決定します。
この方法は、物件によって異なる条件を考慮することができるため、正確な価格決定ができるメリットがあります。
しかしながら、評価額を決定する際には、修正率や基準評価額が適切かどうかが重要で、不適切な場合は正確な価格決定ができない可能性があります。
市場調査法
市場調査法とは、不動産の売買相場や市況を調査し、物件の価格を決定する方法です。
この方法では、物件に関連する情報を収集し、それらを分析し、物件の価格を決定します。物件に関連する情報には、売買価格、賃貸価格、土地価格、市場動向などがあります。
主な手順は以下の通りです。
- 市場情報の収集
物件に関連する市場情報を収集します。 - 市場情報の分析
収集した市場情報を分析します。 - 物件の価格の決定
分析結果をもとに、物件の価格を決定します。
この方法は、物件によって異なる条件を考慮することができるため、正確な価格決定ができるメリットがあります。
しかしながら、市場情報が不十分な場合や、市場動向が急激に変化する場合は正確な価格決定ができない可能性があります。また、市場調査法は物件によっては適用できない場合もあります。
査定の他に考慮すべきこと
不動産の持っている資産的価値を適切に測ることで相続税がどれくらいかかるのか調べることが可能です。しかし、かかってくるお金はそれだけではありません。
住宅ローンの残債、固定資産税、建物や土地の維持・管理費などがかかることもあります。
また、物件が抵当権を持っている状態の場合には、これも考慮する必要があります。
これらの他にリフォーム履歴の確認や修繕が必要な個所の把握もしておきましょう。
不動産査定の依頼にはどんな手続きが必要?
不動産査定の依頼には、以下のような手続きの流れがあります。
- 査定の依頼先の選定
不動産査定を依頼する先を選定します。不動産会社や不動産専門家、不動産評価士などがあります。 - 査定の依頼書の準備
不動産査定の依頼書を準備します。書類には物件の基本情報、査定の目的、査定料金などが記載されています。 - 物件の現況調査
不動産査定を依頼した物件の現況を調査します。不動産評価士が現地調査を行います。 - 査定料金の支払い
不動産査定料金を支払います。 - 査定報告書の受取
査定が完了したら査定報告書を受取ります。査定報告書には、物件の評価額や査定の結果などが記載されています。
なお、査定をする会社によって差異はあります。
最後に
今回紹介しました3つの査定方法を組み合わせることで、物件の価値をより正確に決定することができます。
さらに正確な価値を調べたい場合は、不動産評価士に頼んだり不動産会社や不動産専門家などにも相談することをおすすめします。
ただし、査定を受ける際には、査定者の資格や実績を確認し、信頼できる査定者を選ぶことが重要です。
また、査定は1社だけで終わらせるのではなく複数社に依頼するようにしましょう。