死後の手続きについて

【給付金】で葬儀費用の負担軽減!?申請方法と支給時期を解説します

 ご遺族が葬儀を行う時、多額の葬式費用を支払うことになります。しかしこれらは一部を社会保険で賄うことができるのです。今回は埋葬料や葬祭費の支給申請など、相続時に社会保険から支給される給付金の申請手続きについて解説します。

埋葬料と葬祭費とは?

 埋葬料と葬祭費はいずれもなくなった方の扶養家族に支払われる給付金のことです。

 亡くなった方が会社員として協会けんぽに加入していた場合、葬儀や火葬を行った扶養家族に支払われる給付金があります。これが埋葬料です。

 亡くなった方が自営業者として国民健康保険、国民健康保険組合に加入していたり、後期高齢者医療制度の健康保険に加入していた場合であっても葬儀や火葬を行った扶養家族に支払われる給付金があります。これが葬祭費です。

 協会けんぽと国民健康保険、後期高齢者医療制度の医療保険では呼び方が異なります。名称は異なりますが、どちらも葬儀や火葬の費用を負担してもらえる給付金です。

 ちなみに、埋葬料は勤務時間外に無くなった場合に支払われるものです。勤務時間中に亡くなった場合は葬祭費が労災保険から支払われることになります。葬儀や火葬には多くの費用がかかり金銭的な負担が大きくなります。そこで社会保険が一部を負担する仕組みとなっているのです。

給付金を受け取るためには?

 これらの給付金は自動的に支給されるものではありません。申請することによって初めて支給され、しかも2年という期限内に申請しなくてはいけません。
 必要となる書類ですが、協会けんぽに申請する場合であれば埋葬料支給申請書に記入し、亡くなった方の健康保険証事業所の証明書を提出することが必要になります。

 一方の国民健康保険組合には国民健康保険葬祭費請求書に記入し、亡くなった方の被保険者証、喪主の身分証明書、葬儀の領収書を提出することが必要になります。

 埋葬料支給申請書や葬祭費請求書はいずれもウェブサイトからダウンロードできます。ダウンロードしたものはパソコンで入力もできます。パソコンがない人は年金事務所や市区町村役場で入手する方法があり、この場合記入は手書きになります。

葬祭費や埋葬料としていくらお金がもらえるのか?

 協会けんぽから支給される埋葬料は一律5万円です。それに対して市区町村役場から支給される葬祭費は3万円から7万円です。当然ですが申請するときに葬儀費用や火葬費用の領収書を提出しなければいけません。
 葬儀費用で支払ったお金を取り返すためにも忘れずに手続きを行う必要があります。

手続きしてからいつ支給される?

 埋葬料や葬祭費は申請してから1ヶ月くらいで支給されます。受け取り方法は銀行口座振込のみです。現金で受け取ることはできません。

申請する上で注意する点

 申請書に記入する銀行口座は、申請者名義の銀行口座を記入しなければいけません。
亡くなった方名義の銀行口座は、一定期間は凍結されていて使用できなくなっているためです。

埋葬料と葬祭費を両方受け取ることができるのか?

 例えば、会社員時代は協会けんぽに加入していたものの、退職後に自営業を始めたため国民健康保険に加入。75歳になった後は後期高齢者医療制度を利用していた場合をイメージしましょう。

こういった場合、結論から言いますと埋葬料と葬祭費を両方受け取ることができません。埋葬料を申請したならば総裁費は申請できませんし、葬祭費を申請したならば埋葬料は申請できません。どちらか一方のみ申請を行うこととなります。

家族埋葬料も活用しよう

 家族埋葬料というのは、協会けんぽなどの健康保険に加入している被保険者の扶養家族、つまり被扶養者が亡くなった場合に支給される埋葬料のことです。扶養家族の葬儀や火葬費用にも支給されます。
 例えば協会けんぽの被保険者が父親で、扶養家族である母親や子供が亡くなった場合、年金事務所に申請をすれば家族埋葬料として一律5万円が支給されることになります。ただし、家族埋葬料を申請する場合には提出すべき必要書類が異なる場合があるので注意が必要です。

給付金は相続税の計算に関係してくるのか?

 埋葬料や葬祭費を受け取ることができれば遺族に収入が発生します。この収入には税金がかかるのでしょうか?また、相続税の計算には関係あるのでしょうか?
 結論、この給付金は相続税の計算に関係しません。亡くなった方ではなく相続人が受け取るべきものですので、相続財産ではありませんから相続税は課税されません
それだけではなく、所得税も住民税もかかりません。

葬式費用は相続税申告で債務控除できるのか?

 先ず、葬式費用というのは通夜や告別式の葬儀費用、火葬費用、納骨費用、お坊さんへのお礼、死亡診断書の発行費用などが含まれます。香典返しは葬式費用に該当しません。

 そして、葬式費用に該当するものは葬式費用として相続財産から控除する対象になります。なので税金の計算をするときに間違えないように気を付けてください。

最後に

 埋葬料や葬祭費は、申請することを忘れやすい手続きです。申請しないともったいないので忘れないようにしましょう。

LINE相談