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今後の【日本の課題】健康習慣と老後の経済の問題

 突然ですが皆さんは今の日本が非常によろしくない状況にあることをご存じでしょうか?
現代の日本が抱える一番の問題として、医療と健康の問題が挙げられます。これは日本における国家予算の大部分を医療費に使っていることから明白です。
「日本は世界的に見ても平均寿命が長いから健康なのでは?」と考える方もいると思いますが、平均寿命が長いことが単純に健康であることとイコールになる訳ではありません。この健康というものを見直すことがこれからの日本を生きていく人にとってどれだけ重要なことであるかを今回の記事でお話ししていきます。

客観的な数字から見る日本の実状

  1. 国民の5人に1人が糖尿病またはその予備軍である
     これは厚生労働省が堂々と発表しており日本の悲しき現実です。人が500人集まったとしてそのうちの100人が糖尿病またはその予備軍というのはどう考えたって異常ですよね?
     今では生活習慣病の一つとされる糖尿病ですが、かつては贅沢病などと言われ食生活の豊かな富裕層に多い病気と思われていた時代がありました。ところが近年はそうではなくむしろ貧困層に多いことが大きな問題となっています。つまり、糖尿病患者の多い国は国民の生活レベルに問題を抱えている国ということになります。
     糖尿病というのはそう簡単にかかる病気ではありませんので、5人に1人という罹患率だけを取り上げても今の日本が相当異常な事態にあるということがわかるでしょう。
  2. 一生のうちに男性の60%、女性の45%が癌になる
    糖尿病だけではなく、日本の場合、生活習慣病の代表格とされる癌にも、一生のうちに男性の60%・女性の45%がかかると言われています。そして、国民の3人に1人は癌で亡くなっているのです。
     もちろんこれが死因のトップになっており、死因の1位が癌という国は間違いなく世界でも日本だけです。このことはもっと重く受け止めなければいけない事実です。
  3. 国民の2人に1人は何かしらのアレルギーを持っている
     現代社会では何かしらのアレルギー症状(自己免疫疾患)を持っている人が非常に増えています。国民の半分がアレルギー持ちであるというのは尋常なことではありません。それも特殊な物質に対してというわけではなく、暮らしの中で身近に溢れる物質や食材に対してアレルギー症状が出ているのです。
     下記のグラフでも分かるようにアレルギー持ちの人は年々増えているのがわかります。これもまた戦後の日本の食文化が大きく変わってきたことと関係しています。

 大きく代表的な3つの数字を紹介しましたが、どれもこれも私たちの生活習慣が生み出してきた不健康な現実です。そして、その結果として医療費が年間40兆円を超えている現実(国家予算の一番の支出になっており毎年増えている)と私たちはしっかりと向き合って生きていかなければなりません。

生活習慣病は医療で根治させることは不可能

 そもそも生活習慣とは具体的に何を指すのでしょうか?これは主に、運動、睡眠、食事に絞られます。これらの中でも特に私たちの日常の習慣の中で最も大きな部分を占め、健康に直結しているのはやはり食習慣です。
過度な飲酒や喫煙、睡眠不足が体に悪いというのは当たり前でそれは改めるしかありません。しかし、このようなわかりやすい原因に隠れて普段の食事が体に与える影響の大きさについては意外に軽視されているように思います。

 アメリカでは早くも1970年代に生活習慣病による医療費の増大が財政を脅かす大問題となり、病気が治らない原因を探るためのさまざまな調査が大々的に行われました。
世界最大の疫学調査そして有名なマクガバンレポートの中で、1997年の発表当時すでに「癌、心臓病、脳卒中などの生活習慣病は現代の食生活が原因となって起こる食源病である」と結論づけられていたのです。食事と病気との関連が公的に初めて明らかにされた画期的な報告でした。

 当時、民主党の副大統領候補でもあったマクガバン氏はこのレポートの中で、それまでのアメリカ人の食生活を示唆し、「諸々の慢性病は肉食中心の誤った食生活がもたらした食源病であり、薬では治らない」と断定しました。
そして、「アメリカ人は生活習慣病の根源にあるこれまでのような食習慣を辞め、野菜中心の食生活に改めるべきである」と指摘をしたために、畜産業者らの反発を買い失脚しました。

 それから40年近くが経過しているわけですがそのレポートを受けて国を上げて食生活の改善に地道に取り組んできたアメリカではここ20年間で癌による死亡が22%減少しました。
これが食習慣から見直して生活習慣病を克服しようとした結果です。そして、あまり公に知られていませんが日本人の平均野菜摂取量よりアメリカ人の方が多いのも事実です。アメリカ人は日本と医療保障制度が違いますので、やすやすと病気になれませんから当然でしょう。

老後の備えとして健康を大切に

 日本人はその1977年に平均寿命が世界一になりました。男女ともに着々と平均寿命を伸ばし続けております。一方で健康寿命と呼ばれる数値は意外と低く、平均寿命から健康寿命を引くと男性で9年女性で12年という年数が出てきます。このデータは日本人の多くが長生きした人生の終末の10年前後、寝たきりや病院通いの不健康な状態で過ごしていることを示しております。
私たち日本人が社会に貢献しながら元気に暮らしている期間というのは自分たちが思っているよりも短いわけです。そして大きな問題になるのが、私たちが現役を退いて病気がちになった時、今のような医療の加護が受けられなくなっている可能性が非常に高いことです。
 
 年間40兆円もの国民医療費の約55%、つまり半分以上は65歳以上の高齢者が使っているのが実情です。そして、今後はもっとその割合が大きくなっていくでしょう。ところが医療費を負担する若者はどんどん減っています。2022年は戦後最低の出生数でした。
 高齢化の一途を辿っている日本ではますます労働者人口が減るわけですから、激減した若者が激増した高齢者の負担を背負う時代に必ず突入します。このような状況では財政面の理由から同じレベルの医療保障を誰もが受けられるはずがありません。高齢になったからといって病気などになっていられないのです。

まとめ

  1. 客観的な数値が今の日本が危険な状況にあると告げている
    ・国民の5人に1人が糖尿病またはその予備軍である
    ・生活習慣病の代表格とされる癌に男性は60%、女性は45%がかかる
    ・国民の2人に1人は何かしらのアレルギーを持っている
  2. 生活習慣病を医療で治そうとするのは不可能
     生活習慣病の原因は生活習慣(特に食習慣)にあり、生活習慣によって引き起こされた病気を治すのはどんな名医であっても不可能である。なので今の自分の生活習慣を変えるしかない。

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