皆さんはお墓の購入・維持に多額の費用や手間がかかることをご存じでしょうか?
実際に最近では墓じまいを考える人も増えてきています。
今回はお墓を用意する時の流れや注意点などご紹介します。
時代と共に変化するお墓の考え方
今は昔と違い社会の変化とともに価値観も多様化してきています。
少子化や核家族化、宗教観の多様化もしくは希薄化、日本経済の変化など様々な要因でお墓を持つことに対する考え方にも変化が出てきているのです。
お墓の継承者がいない、もしくは近くにいない、婚家と一緒の墓に入りたくない、お金がなくお墓がで持てない、そもそもお墓が不要で自然に散骨してほしい、、、
こういった悩みに応えるためにお墓の在り方も変化してきています。
先ずは話し合いからはじめよう
もし、お墓を新しく準備する場合はそれなりの費用や手間がかかります。
もちろん親族でしっかりと話し合う必要もあります。親族が集まる機会はそうそう無いので葬儀や四十九日など法要のタイミングに合わせて相談をするようにしましょう。
管理は誰がするのか、改葬するのか、場所はどこにするのか、費用はだれが負担するのか、トラブルにならないようにしっかり話し合って決めましょう。
お墓を買う
自分で新たにお墓を立てる場合はまず最初に墓地を選び契約をするところからになります。
墓地までの交通の利便性や墓地の使用料など条件を絞り比較して検討しましょう。
墓地の土地の利用料は20~100万円、管理料が5000円~3万円が目安になります。
次に石材店で墓石を選び購入します。墓地に設置する工事費用も込みで70万円~になります。また、お墓の施工には数週間はかかります。
墓石の設置が完了し問題なければ僧侶を招いて墓前でお経をあげてもらい、魂をお墓に向かい入れる開眼供養を行って終了です。
改葬をする
お墓を新しく建てるのではなく、移し替えたり、墓地の場所を変えることを改葬と言います。地元から遠く離れたところに引っ越しお墓参りが困難な場合に改葬を行います。
2000年代前半は年間6~7万件ほどだったのが2020年には11万7000件を超えるまでになってきています。
改葬の手順ですが、先ずは新しい墓地を選んで契約を行い墓地使用許可書を発行してもらいます。
次に元から使用しているお墓を管轄する市町村役場で改葬許可申請書と埋葬・埋蔵証明書を入手し必要事項を記入したのちに提出します。
許可が得られれば改葬許可証が発行され、お墓から遺骨を出し、新しいお墓へ移すことができます。
その後今まで使用していたお墓は墓じまいをすることになります。
墓じまい
使用しなくなったお墓から遺骨を取り出し、墓石の撤去を行い、墓地の区画を寺院などの管理者へ変換することを墓じまいと言います。
近年ではおひとりさまの増加に伴い、祭祀承継者(さいしけいしょうしゃ)がいなかったり、田舎にある先祖代々のお墓の扱いが重荷になって無縁仏になる前に改葬し墓じまいを行う人が増えています。
他にも管理費がかかるからという理由で墓じまいをする人も少なくはありません。
樹木葬
樹木葬は2000年ごろから登場してきた比較的新しいお墓の在り方ですが、近年人気が出てきている埋葬法です。
細かいスタイルは様々ですが、一般墓に比べると費用は安く、数年たった後に合祀墓に移される永代供養がセットになっているケースもあります。
合祀墓(ごうしぼ)
おひとりさまや親族に負担をかけずにどこかに納骨するのであれば合祀墓や合葬墓と呼ばれる共同墓がオススメです。
複数の人の遺骨を一つの大きいお墓に納め、供養は寺院や霊園が永続的に行うことになります。
納骨堂
一つのお墓の中に複数の遺骨を納骨するわけではなく、お墓がコンパクトにお堂の中で密集しているのが納骨堂です。
遺骨を一つの建物の中で一括して管理することができ、密集した住宅地付近に増えてきています。
一定期間が過ぎたら合祀墓に移され永代供養される場合もあります。
散骨
墓じまいをする時に合祀墓以外の選択肢で散骨があります。お墓に納骨するのではなく、海や特定の土地に粉末にした遺骨を撒きます。
もちろんその後の維持管理などは一切ありません。
もし散骨を希望する場合は、厚生労働省の発表している散骨のガイドラインに則り事業を行っている散骨業者を選ぶようにしましょう。
最後に
お墓のことに関していろいろとご紹介しましたが、おひとりさまの場合は契約ができたとしても亡くなった後の手続きは自分で行うことができません。
手続きを手伝ってくれる第三者が必要になってくるのですが、こういったこともふまえて、親族以外の人間関係を構築しておくことは終活においてとても大切だと言えるでしょう。
そして頼れる人がいない場合は死後事務委任契約を検討することをおすすめします。
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