内に閉じこもり、自身に無関心になっていませんか。
ご自身や家族、友人など身近な人に当てはまる場合は対策が必要です。
セルフ・ネグレクトとは?
「セルフ・ネグレクト」または、日本語では「自己放任」と言います。
病気やショックを受けるなど、何らかの理由により、生活を維持する意欲や能力を喪失し、自身の健康や安全が脅かされる状態を指します。
多くは食事・入浴・着替え・病気の治療などがおろそかになります。
ディオゲネス症候群
別名、「ゴミ屋敷症候群」とも呼ばれます。
物が捨てられず、自宅がゴミ屋敷化する恐れがあります。
この症候群の一因がセルフ・ネグレクトと言われています。
ゴミ屋敷に住んでいる方が単に片付けができないのではなく、そこに病気が潜んでいる場合もあるのです。
ゴミ屋敷問題は、健康被害やご近所トラブルにつながりかねません。
セルフ・ネグレクトになる原因
主な原因とされる理由は様々です。
- 身体機能の低下
- 判断力の低下
- 経済的な逼迫
- 社会的な孤立
- 身近な人による虐待
身体機能の低下
事故や病気、加齢により、身体機能が低下しセルフ・ネグレクトに繋がります。
特に、高齢者は視力や筋力の衰えから掃除や片付け、家事などができなくなり、結果セルフ・ネグレクトへと発展してしまいます。
判断力の低下
認知症やうつ病などの精神疾患が元で判断力が低下することも一因です。
高齢者の一人暮らしで、認知症になっていることを誰にも気付かれずに症状が進行し、日常生活を送れなくなり、セルフ・ネグレクトに発展してしまうケースもあります。
経済的な逼迫
失業や老後の貯えがない、認知症によって金銭管理ができないことからの貧困が挙げられます。
経済的に逼迫していることで、国民健康保険などに未加入の人が見受けられ、病気やケガなどをしても全額自己負担になるため、病院に行けずそのまま放置してしまうこともあります。
また、引きこもりの子どもがいる家庭で、親が亡くなりそのまま子どもがセルフ・ネグレクトに陥るケースも増えています。
社会的な孤立
配偶者との死別や離婚、子どもの独立、失業などで、一人暮らしになりセルフ・ネグレクトに繋がる場合があります。
近年では、コロナの影響で孤立感を感じる方が増えているようです。
身近な人による虐待
家族から身体的、精神的虐待を受けていることでセルフ・ネグレクトに陥る可能性があります。
暴力や暴言を受け続けることで、自身を無価値だと感じるようになったり、生きる意欲を失ったりします。
セルフ・ネグレクトの事例
セルフ・ネグレクトかどうか気になる方は、後述の事例を確認してみてください。
当てはまる数が多いほど、セルフ・ネグレクトの傾向が強いと言えます。
- 入浴や洗顔、歯磨きなどを面倒に感じ、数日間していない
- 病気や怪我など体に不調があっても病院に行かず放置している
- ゴミが室内に溜まったままになっている
- 食事を抜くことがある、もしくは栄養が偏っていても頓着しない
- 部屋が散らかったまま、もしくは汚れたまま放置している
- 介護サービスが必要だが拒否している
- いつも汚れた、もしくは同じ衣服を着用している
- 失禁しても放置している
セルフ・ネグレクトの対処法
もしも自身や身近な人がセルフ・ネグレクトになってしまったら?
どう対処すれば良いのでしょうか。
対処法を見ていきましょう。
- セルフ・ネグレクトであることを自覚する
- 病気が原因の場合は治療に専念する
- 周囲のサポートを受ける
- 介護サービスを利用する
セルフ・ネグレクトであることを自覚する
自身がセルフ・ネグレクトの対象である場合は、自身の置かれた状況をまず理解することから始めましょう。
セルフ・ネグレクトに陥っている方は、現状に気づいていないケースが多く見受けられます。
信頼できる人や自治体の相談窓口に相談してみましょう。
話すことで現状が整理でき、状況の把握がしやすくなります。
病気が原因の場合は治療に専念する
精神疾患や認知症などが原因の場合、放置すると更に悪化する可能性があるため、まずは医療機関を受診し治療を受けましょう。
症状の改善や進行を遅らせることができれば、状況の改善にも繋がります。
周囲のサポートを受ける
家族や友人などの身近な存在だけでなく、行政にも相談することを視野に入れましょう。
「地域包括支援センター」には無料相談窓口が設けられており、基準を満たしていれば、要介護支援の申請を代行してもらえます。
高齢者でなくても、役所の福祉課や各地域の福祉事務所に相談することで何らかのサポートを受けられる可能性があります。
介護サービスを利用する
介護認定を受けている方は、訪問介護や訪問入浴、デイサービスなどの介護サービスを受けることができます。
自己負担額も一割となっているため、民間サービスを利用するよりも安価に利用することが可能です。
ただし、これらの介護サービスはあくまでも介護を目的としているため、掃除や食事など身の回りの世話は行ってくれません。
また、老人ホームのような介護施設に入居することを検討するのも良いでしょう。
まとめ
セルフ・ネグレクトになる可能性は誰にでもあります。
一人で抱え込まず、周囲に打ち明けることが大切です。
身近な人がセルフ・ネグレクトであるとすれば、一人にせず、なるべく気にかけて見守りましょう。
お互いに助け合いながら、少しずつ改善していきましょう。
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