令和6年4月1日より相続登記の申請が義務化されます。
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の名義を変更するための手続きのことをいいます。
この義務化の背景には、所有者不明の土地が増加し、社会問題となっていることが挙げられます。
所有者不明の土地とは、不動産登記簿を確認しても所有者がわからない、または所有者が分かっていても、所在が不明で連絡がつかない土地のことです。
平成29年度の国土交通省の調査では、このような土地の面積が、実に国土の22%にも及んでいることが分かりました。
このような所有者不明の土地は、約66%が相続登記をしなかったために発生していると言われてます。
所有者不明のままでは売買ができませんし、不動産の流通を妨げてしまいます。
また、大きな災害が起こった際、被災した地域において復興のための整備を進めることができないという問題もありました。
そこで、これまで罰則のなかった相続登記が義務化されることとなりました。
その内容は
- 相続から3年以内に相続登記をしなければならない。
- 相続登記をせずに放置すると10万円以下の過料が科される。
というシンプルなものです。
重要なことは、これから相続する不動産だけが対象ではなく、過去の相続で相続登記をしていない不動産も対象になります。
(それはそうですよね。これからの相続不動産だけを対象にしても所有者不明問題は解決しませんから。)
また、先ほど所有者不明の土地に関してお伝えしましたが、相続登記は建物についても同様に義務化されます。
令和6年4月1日以降に相続が開始されるケースでは、亡くなった日から3年以内に相続登記をすれば大丈夫です。
すでに相続が発生していて相続登記ができていないケースでは、義務化が始まる令和6年4月1日から3年以内に相続登記をしなければいけません。
相続登記を長年放置しておくと、当初の不動産相続人がすでに亡くなっており、その子ども、孫など、権利者が多くなり複雑化します。
また、親族といっても代替わりしていたら、どこにいるか簡単には分からない、その不動産を誰が所有するか揉める可能性もあります。
(相続登記をしていない不動産は相続人全員で共有状態にあります。他の権利者にいくらか支払って解決することも多いと思われます。)
ですから期限が3年もあると思わず、早めに着手する方が良いでしょう。
すでに相続未登記の不動産がある方は、司法書士などの専門家に相談してみましょう。
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