人が死亡した後、遺族が行わなければならない手続きは膨大にあり、しかも複雑に絡み合っています。
様々な要素が組み合わさることで生まれる注意点を踏まえて死亡直後のやらない方がいいことを6つご紹介します。
預金の引き出し
これは非常に多くの方がやってしまうのですが、相続時の親族間トラブルを引き起こす代表的な原因となっています。
基本的に預金口座の持ち主が亡くなったことを銀行に伝えなければATMからお金を引き出すことはできます。
そしてその引き出したお金を使ったとして、何にいくら使用したのかが分からないと「着服したのでは?」疑いをかけられてしまうことがあるのです。
なので、もし葬式費用や残されている病院などの支払に使用したい場合はしっかりと領収書を保管しておくことが大切です。
遺産を使用
亡くなった方の遺産を相続人が少しでも使用すると相続放棄ができなくなります。
そもそも遺産相続とはプラスの遺産とマイナスの遺産、全てまとめて引き受けることを言います。
なのでもし、借金が多く残っていてプラスの遺産を含めても借金の方が多ければ相続放棄をしたいところですが、相続放棄をする前に少しでも遺産を使用したり、処分もしくは壊してしまうと相続放棄ができなくなります。
なので、基本的には財産把握が終わるまでは何も触らないようにすることが賢明です。
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口座の凍結
預金口座というのは口座の持ち主が死亡したことを銀行側が知ると、不正なお金の持ち出しを防ぐために一時凍結されるようになっています。
こうなってしまうと遺族による正式な手続きを行わない限りお金の出し入れができなくなります。
これで何が困るのかというと、例えば死亡した方がアパートを経営していたとします。
本来であれば家賃収入がありますので、お金の受け入れを預金口座で行っているのですが、口座が凍結されてしまうと受け入れることができなくなるのです。
これは払う側も困ってしまいますので気を付けましょう。
また、生前に信託の利用を検討しておくのもオススメです。
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引き出し
振り込み
預け入れ
残高照会
公共料金の支払い
ATM通帳記帳
上記のことを踏まえて、先行的に済ませたい手続きが終わってから口座の凍結を行うとよいでしょう。
遺言書の開封
死亡した方が遺言書を残していた場合、見つけてすぐに開封しないようにしましょう。
残されていた遺言書が公正証書遺言であれば問題ありませんが、自宅保管されていた自筆証書遺言であれば検認を行って開封を行う必要があります。
この検認手続きを行わなければ遺言書の効力が無効になってしまったり、5万円以下の過料に課せられてしまうこともあります。
したがって遺言書を見つけた時は開封してはいけないと覚えておきましょう。
そして、遺言書を残す側であれば、遺言書の封筒などに検認が必要であることを記載しておきましょう。
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戸籍の入手をすぐに行わない
死後の事務手続きや相続の手続きを行う時には死亡した方の戸籍謄本が沢山必要になってきます。
ただし、ここで肝心なのが戸籍謄本を取得するタイミングです。
通常、死亡届を提出してから戸籍謄本に死亡の記載が追記されるまでに大体1~2週間を要します。
急いで戸籍を取得しても手続きで使用できず、取り直しになるので注意が必要です。
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携帯電話の解約
携帯電話の契約は利用者が死亡したらすぐに解約手続きを行いたいと思うかもしれませんが、しばらくはそのままにした方がいいこともあります。
基本的に残された遺族が訃報の連絡を関係者や友人に行うのですが、どうしても連絡漏れをすることはあります。
そして、しばらく期間がたってから亡くなったことを知り、家族に連絡を取ろうとしても連絡先が分からず故人の携帯に連絡が来ることが結構あります。
なのですぐに解約せずにそのままにした置いた方が良いときもあるのです。
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まとめ
今回は死後の手続きで注意しておくべきことを6つご紹介しました。
もちろん死後の手続きで行うべきことは非常にたくさんありますので、事前に何を行う可能性があるのかを知り、もしもの時に遺族が困らないように備えをしておきましょう。