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1人で終活|【おひとりさま】を待ち受ける落とし穴

“おひとりさま”という言葉からどんなことを想像しますか?
一見、自分と関係のない言葉のように勘違いされがちですが、実はほとんどの人がこの“おひとりさま”問題に直面することになるだろうと言われています。

未婚・離婚・死別・核家族化…様々な理由で増加する“おひとりさま”。
今私たちはこの課題とどう向き合っていけばよいのか紐解いていきます。

1人で迎える人生の終末“おひとりさま”とは?

“おひとりさま”という言葉が生まれたきっかけは1冊の本でした。

おひとりさま

当初この言葉に込められた意味は、仕事もプライベートも上手に楽しみ生きる哲学を身に着け、精神的に自立した女性でした。

そこから2007年に“おひとりさま”の老後という本がベストセラーになり、徐々に人生の最後を一人で迎えるような人のことを示唆する言葉に変化していったのです。

おひとりさまの老後


そして、おひとりさまになる理由は生涯独身、配偶者は既に他界、子供とは疎遠など様々です。
つまり、はじめから独身の人だけが“おひとりさま”というわけではありません。
今いろんな人に囲まれて生活している人でも将来“おひとりさま”になる可能性はあるのです。

増加を続ける“おひとりさま”

内閣府の発表によると、65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあり、
昭和55年時点で65歳以上の人口は男性約19万人女性約69万人
65歳以上が人口に占める割合は男性4.3%女性11.2%でした。

平成27年には65歳以上の人口は男性約192万人女性約400万人
65歳以上が人口に占める割合は男性13.3%女性21.1%となっています。

そして、延命治療の技術発展で65歳以上の人口は今後も増え続け、
新生児出生数も戦後過去最低を更新し続けているため65歳以上が占める割合もさらに大きくなることでしょう。

助けを必要とする高齢者は増え続け、手を差し伸べられる若者は減り続ける未来。
こういった背景から家族に頼るのではなく、一人一人が自分で自分の将来の準備する必要性は高まってきているのです。

“おひとりさま”の落とし穴

自分の身に異変が起きた時に誰かに気が付いてもらえるだろうか、死んだ後の葬儀やお墓のことは誰に頼もうか、こういった心配事が出てくるのは病気がちになったり、要介護状態になってきた時です。

“おひとりさま”にとって特に注意を払っておかなければならないことが認知症になった時医療行為を受ける時、そしてこの世を去った後です。

不測の事態が起きた時に自分が困らないためにも、そして周りの人を困らせないためにも、準備をしておくことが肝心です。

どのようなことを想定し対策していくとよいのかご紹介します。

介護サービスや医療が利用できない

人は誰しも老いると誰かの支援を受けざるを得なくなりますが、
特に家族と一緒に住んでいない人、もしくは近くに家族がいない人は介護施設や医療機関のお世話になることになるでしょう。

しかし身元保証人がいなければ、経費不払いを防ぐために入院や入所を拒否されるという話は珍しい話ではありません。

保証人の話は元気なうちは気に掛けていなかったり後回しにしがちですが、自立できなくなった時に慌てて求めても手遅れです。
早い段階で自分の意思を明確にし、代理執行をしてくれる人を見つけることが大事です。

身元保証サービスや後見制度などの利用を検討することをおススメします。


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知らぬうちに親族や第三者に迷惑がかかる

死んだ後に自分の遺体はどうするのか、お墓は誰に頼むのか、住んでいた家は誰が片づけるのか、やらなければならないことは山ほどあります。
それにもかかわらず、何も準備していなければ遠い親戚に連絡がいき、迷惑をかけるかもしれません。(金銭面も含めて)

しかし、親族以外の誰かに手続きのお願いをして準備していれば遠い親戚に必要以上な負担を与えてしまうことを避けることはできます。

最近ではこういった問題を解決するために、“おひとりさま”の終活サポートに取り組む自治体は増えてきています。
ただし、死後の事務手続きを代行してもらえますがそれなりにお金はかかります。

かといって多くの人が経済的に余裕があるわけではありませんので、頼れる血縁がいなくとも多少の迷惑を掛け合える人間関係を築いておくことが極めて重要だと言えるでしょう。

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おひとりさま予備軍“おふたりさま”

厚生労働省の調査によると、2019年時点で65歳以上の人口のうちおひとりさまは28.8%となっていますが、おふたりさまは52.3%となっている。

”おひとりさま”は単身で暮らしている状態と説明しましたが、”おふたりさま”とは夫婦二人だけもしくは親子(未婚の子)だけの状態です。
つまりどちらか片方が死んでしまうと“おひとりさま”になるわけです。
このことを踏まえておふたりさまは”おひとりさま予備軍”とも言われています。

“おふたりさま”の場合、配偶者に先立たれると残されたパートナーには多くの手続きに追われることになり、別れを惜しむ余裕もなくなります。
したがって、“おふたりさま”のうちからもできる準備に取り掛かることが大事です。

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まとめ

生活様式の変化に伴い多くの人がおひとりさまになる可能性が高くなってきた今、終活という言葉が生まれ周知されるほどに人生の最後の過ごし方、準備の重要性は増してきてます。
定年退職し、穏やかに老後を過ごすというのはもはや現実味のない理想の話になってきているのではと思います。

有意義な人生の最後を迎えるためにも地に足をつけ、早め早めの準備を心がけましょう。

【出典】
内閣府高齢社会白書

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